© North Sails風洞実験
ノースセールはダウンウィンドセールの風洞実験のパイオニアです。今では、風洞を使った実験とCFDを駆使したコンピューターのシミュレーションが可能です。
© North Sailsツイスティッドフロー風洞
ノースセールとオークランド大学工学部の協同で、新しい”ツイスティッドフロー”風洞を開発しました。この風洞はヨットのセール専用の唯一の風洞です。
水の表面には抵抗があり、デッキレベルより、マストトップの方が風が強く、みかけの風速やみかけの風角はマスト上方に行くにしたがい変化します。”ツイスティッドフロー”風洞は、セールの上から下まで一定の風向風速をシミュレーションする他の風洞施設と違い、海上で実際受けるような、海面での境界層の影響やグラディエントウィンドを再現します。
この風洞はアメリカズカップをはじめ、VOLVOオーシャンレース、OPEN60sのダウンウィンドセール開発で成功を収め、さらに、10年以上の間、レーシング、クルージング向けのダウンウィンドセールの開発に使われています。
この風洞ではかなり大きな模型を使用してします。リモートコントロールのウィンチの付いた模型に1/14のセールを展開してセールの性能試験を行っています。乱流、速度分布、風のねじれはシミュレーションとVPP(速度予想プログラム)の精度向上のために正確に再計算されて再現されています。ダイナモメーターから計測された力は、すぐさまある風速下でのボートスピード、ヒールなどの数値情報に変換され、模型ヨットも同じアングルでヒールをするよう制御されます。 ヒールアングルが最も影響を及ぼす、線形理論によっても予測できないリーチングセールの性能はスタビリティーを重視したルールのVOR70に非常に重要です。
© North Sailsヴァーチャルウィンドトンネル
ヴァーチャルウィンドトンネルはダウンウィンドで最初に(今でも世界唯一の)、100%スケールでダウンウィンドセールの風の流れを可能にしたコンピューターシミュレーションです。シミュレーションの精度を確認するためにノースセールのツイスティッドフロー風洞とアメリカズカップチームBMW/ORACLEの風洞とのデータを利用しました。
これらの風洞施設との検証と実際のセーリングでのパフォーマンスより、ヴァーチャルウィンドトンネルは、これまでの風洞実験よりもはるかに信頼性の高い予測をしてくれることを確認しました。
セールに生じる力に加え、ヴァーチャルウィンドトンネルはフライングシェイプ、セールシェイプの安定性などを洞察するのに有用な情報をデザイナーに与えてくれました。
下のイメージはヴァーチャルウィンドトンネルを使用して、セールシェイプをカスタマイズした際の圧力分布図です。オリジナルのデザインとなった左のシェイプはヴァーチャルウィンドトンネルやメンブレインのシミュレーションにより予測されるフライングシェイプの考察によりデザインの変更がされます。フライングシェイプとセールの流れの予測はデザイナーにより速く、より効率的なセールシェイプをデザインするアイディアを生み出します。
このようなデザインプロセスを活用することによって左から右のデザインの違いによってドライビングフォースは2.3%向上しています。セールの風下側の負圧部分をできるだけ大きくした結果です。(イラストのオレンジと赤い部分)
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